2021夏の北海道その8(完)
北海道最後の夜はキャンプして焚き火をしている。 とても静かなキャンプ場で、周りに明かりもなく、人も数組しかいない。 自分のたてる物音が響き渡るくらいで、息すら潜めてしまう。 北に向かうと宣言したが、途中で気が変わって南を回ることにした。 一度行ったところに戻るのもいいが、まだ行ったことない風景を見たくなった。 室蘭あたりの太平洋側はガスって寒かったが、長万部から日本海側に出たら、晴天でとても暑くて、インナーを一枚脱いだ。久しぶりにしっかり晴れた海岸線を南下する。ただひたすら気持ち良い。 津軽海峡へ出ると、今度はとてつもない強風でまっすぐ走らない。 方角、地形、海によって、こんなにも気候が変わるものかと驚いた。 旅の終盤になって、やっと自分のペースみたいなものが出来上がってきた。 空が明るくなると同じくらいに起きて、コーヒーとパン。 7時前には走り出すのが、涼しくてよい。お昼頃の到着地点でランチして、15時にはキャンプ地または宿に入るパターン。 翌日の向かう方向をあらかた定めてから、日が暮れると同じくらいにシュラフに潜り込む。 考えてみると、山歩きのパターンと似ている。 山と違うのは、エスケープや補給が自由にできることだ。山では宿泊場所が限られるし、エスケープルートも限られる、それに補給もままならない。だから綿密に計画を立てる。 しかし、オートバイの旅、それも人が暮らしているところを旅するのは制限が減るので、割と自由に計画が立てられる。気が向いたらもう一日滞在してもいい。 一番心配なのは燃料だ。日曜日にガソリンスタンドが休みなのはよくある話なのだ。それに朝早く開いている店はほとんどないので、必ずその日の終わりに燃料を補給しておくようにした。 山歩きとオートバイの旅、共通もあるが違いもある。それぞれ面白い。 旅に手段は選ばない。 北海道では様々なスタイルで旅している人にあった。 徒歩、リアカー、自転車、オートバイ、自動車。大きいのから小さいのまで。レンタカーや鉄道。 どれも自由で素晴らしいと思う。 それに移動型の旅人は装備もコンパクトだ。お互い情報交換するのも楽しいものだ。 だいたい会話は、この共通のセリフから始まる。 「どっから来たのですか?」「今日はどこまで?」「明日は?」「もう何日くらいこっちにいるの?」「いや〜、暑いね〜」 そして、何人かの旅人とは、...